鼠径ヘルニアの症状って?「痛み」や「膨らみ」の場所について解説
今回は、「鼠径ヘルニアってどんな症状があるの?」「どうなったら危ないの?」などの質問にお答えできるよう、鼠径ヘルニアの症状について解説したいと思います。
鼠径ヘルニアの初期症状は、「足の付け根の違和感や痛み、膨らみ」
鼠径ヘルニアの症状について知るには、やはり「鼠径ヘルニア」自体について理解することが一番かと思います。まずは鼠径ヘルニアの状態について見ていきましょう。
鼠径ヘルニアでは、鼠径部(足の付け根)の筋肉が弱くなり、腸や脂肪などの内臓脂肪が外に押す力に耐えきれず、これらの臓器が皮膚の下まで押し出された状態になります。このような状態になると、皮膚の下に普段は無い「腸や内臓脂肪」が来てしまうため、鼠径部に違和感や痛みを感じることになりますし、表面からは膨らみとして触知されます。
最初はおなかに力を入れる動作をした時(例えば、立ち上がりの時や、排便でふんばった時など)に、鼠径部の違和感が生じます。この違和感、というのは、鼠径部が少し「つっぱるような、ひきつるような感じ」と言われる方が多いです。その後、少しずつ鼠径部の「膨らみ」や「痛み」が出てくることが一般的です。
患者さまによっては、「おなかにぐっと力を入れた時に、急に膨らみと痛みが出てきた、そのタイミングを覚えている」と、発症のタイミングを正確にお伝え頂く方もおられます。一方で、鼠径ヘルニアを発症して長時間(患者さまによっては20年や30年など)経過されている場合、症状としては大きな膨らみだけで、痛みなどの症状はないと言われる方もおられます。
注意する鼠径ヘルニアの症状
上で説明した通り、鼠径ヘルニアの痛みは通常、それほど強いものではありません。
膨らみに関しても、ぽっこりとした柔らかい膨らみで、横になったり手で押したりすると簡単に戻ることが多いです。
しかし、鼠径部に極めて強い痛みを生じることがあります。それは、鼠径ヘルニアが「嵌頓(かんとん)」した時に起こります。
鼠径ヘルニアの嵌頓については、別でブログで詳しく説明しますが、この「嵌頓」が起こった時の痛みは、鼠径部に強い痛みを生じ、痛みの部分に一致して硬い膨らみを触れます。この膨らみは手で戻そうとしてもできません。
また嵌頓が進行し腸閉塞になると、おなか全体に、「波のある痛み」が出てきます。これは、腸の中の食べ物が流れることができず、腸がパンパンに腫れることが原因で起こります。当然食べ物が流れないため、気持ち悪くなってしまったり、吐いてしまったりすることがあります。
病状がさらに進行し、腸が壊死(えし)してしまうと、腹膜炎という非常に重篤な状態になります。この場合、動くこともできない激しい痛みがおなか全体を襲います。
緊急の処置が必要となりますので、迷わず救急車を呼んでいただき、すぐに病院を受診しなければなりません。
まとめ|鼠径ヘルニアの症状について
今回は、鼠径ヘルニアの症状について説明しました。
足の付け根に「ぽっこりした膨らみ」や「つっぱって、ひきつるような」違和感・痛みが鼠径ヘルニアの一般的な症状になります。鼠径ヘルニアが嵌頓した場合は、鼠径部の激しい痛み、腹部全体の波のある痛み、動くこともできない腹部全体の激しい痛みなど、病気が進むにつれて痛みも強くなります。
鼠径ヘルニアは、放っておいても自然に治ることはありません。鼠径部の症状も、日常生活に影響するほど強くないことも多いですが、やはり常に気になる症状ではあります。
このような煩わしい症状や嵌頓のリスクから解放されるよう早めの治療をお勧めいたします。
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