男性に鼠径ヘルニア(脱腸)が多い原因をわかりやすく解説!
滋賀県大津市の鼠径ヘルニア専門クリニック「滋賀大津そけいヘルニア外科クリニック」です。当院では、腹腔鏡を用いた日帰り手術で鼠径ヘルニアを治療しています。
この記事では、「男性に鼠径ヘルニア(脱腸)が多い原因」について特集します。
鼠径ヘルニア(脱腸)とは
鼠径ヘルニアは、一般的に「脱腸」とも呼ばれ、足の付け根の部分(鼠径部)から腸や腹膜の一部が脱出してくる病気です。成人の場合は、加齢などの要素により、鼠径部の筋肉や筋膜が弱くなることで発症します。
鼠径ヘルニアの典型的な症状には、鼠径部の膨らみが挙げられます。その他、鼠径部の膨らみに加えて鼠径部の違和感や痛み、下腹部の張りなどの症状を伴うこともあります。
鼠径ヘルニアの症状
□ 足の付け根にポッコリとした膨らみが出てくる
□ 下腹部に違和感がある
□ 内臓が引っ張られる感じがある
□ 指で押さえたり、横になったりすると、膨らみは引っ込む
□ もともと、足の付け根に膨らみがあったが、最近は陰嚢まで膨らんできた
この鼠径ヘルニアですが、治療は手術でしか行うことができません。その手段としては、鼠径部に約5cm程度を切開して手術を行う「鼠径部切開法」、内視鏡を用いた「腹腔鏡手術」があります。
成人の鼠径ヘルニアの発症リスク
成人の鼠径ヘルニアの主な発症リスク(原因)には、加齢以外にも以下の要因が挙げられます。
成人鼠径ヘルニアの発症リスク
□ 男性
□ 高齢(加齢)
□ 白人
□ 鼠径ヘルニアの家族歴
また、生活習慣の観点からは、飲酒歴や喫煙歴、仕事における肉体労働の量も鼠径ヘルニアの発症リスクを高めることが報告されています。
参考書籍:鼠径部ヘルニア診療ガイドライン2024
※2024年9月25日、日本ヘルニア学会HP閲覧。
最新情報は https://jhs.gr.jp/guideline.html をご確認下さい。
男性に鼠径ヘルニアが多い原因
鼠径ヘルニアが男性に多く発症する理由は、男性特有の鼠径部の構造に関連しています。
鼠径部には、鼠径管というトンネル状の構造物があります。男性の場合、この中を精巣へとつながる精管や精巣血管が通っています。また、胎児期には睾丸が腹腔から陰嚢へ降りる通り道としても機能するため、男性の鼠径管は女性に比べて長く、広い構造をしています。この構造的な特徴が、鼠径部の筋肉や組織の弱点となり、鼠径ヘルニアが発症しやすくなる要因となります。
一方、女性の場合、鼠径管には子宮を支える靭帯が存在しますが、男性ほど構造的な弱点はありません。このため、鼠径ヘルニアの発症率は男性の方が高くなっています。
まとめ
この記事では、「男性に鼠径ヘルニア(脱腸)が多い原因」について特集しました。
男性で鼠径ヘルニアが多く発症する理由は、男性特有の鼠径部の構造に関連しています。この鼠径ヘルニアは、放置すると「嵌頓(かんとん)」という危険な状態を引き起こす可能性があり、注意が必要です。
そのため、鼠径ヘルニアの症状がある方は、早期に専門の医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることをおすすめします。
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