鼠径ヘルニアの嵌頓(かんとん)について|イラストでわかりやすく解説!
「鼠径ヘルニアって、足の付け根に膨らみが出るって聞いたけど、今は別に痛くないし、放っておいてもいいのかな?」
「放っておいたらどうなるの?」
このような質問をお受けすることがあります。ここでは、鼠径ヘルニアを放置することで起こり得る「鼠径ヘルニアの嵌頓」について解説します。
鼠径ヘルニアの嵌頓(かんとん)とは
鼠径ヘルニアの嵌頓とは、腸が筋肉の外に飛び出した状態のまま、おなかの中に戻らなくなる状態のことを言います(下のイラストをご覧ください)。
この状態が続くと、筋肉の部分で腸を圧迫し、徐々に腸への血の流れが減っていきます。腸の内腔が狭くなり、食べたものが流れなくなると「腸閉塞」という状態になり、腹痛や嘔吐などの症状が現れます。
さらに腸が締め付けられると、栄養する血が流れなくなり、腸が壊死(腐って)してしまいます。腸の中には、極めて多くの細菌が生息しています。腸が壊死して腹腔内(おなかの中)に、腸液が漏れ出てしまうと「腹膜炎」という、非常に危険な状態になります。
このような状態では、緊急手術により、おなかの中を十分に洗浄し、壊死した腸管を切除する必要があります。おなかには数本の管(ドレーン)が置かれ、汚染された排液を常に外に出す処置を行います。術後は厳重な管理体制での治療が必要になります。
もちろん鼠径ヘルニアの全ての患者様が、このような嵌頓を起こすわけではありませんので、過剰な心配をする必要ありません。ただし、このような状態を起こす可能性が常にあるということは、頭の隅に置いておく必要があります。
早期の治療で嵌頓を予防するメリット
今回は鼠径ヘルニアの嵌頓のお話をしました。
足の付け根に膨らみがあるだけで、その他の症状がない場合でも、この「嵌頓」が起これば命に関わることになります。鼠径ヘルニアは自然に治ることはありません。長い人生を考えた場合、ずっと鼠径部の症状を抱えながら、、嵌頓のリスクも考えて生活するよりは、早期の治療を行い安心した日々の生活を送るほうが、患者さまにとってメリットが大きいのでは、と私は考えます。
当院では、成人の鼠径部ヘルニア(内鼠径ヘルニア、外鼠径ヘルニア、大腿ヘルニア)に対する日帰り手術を行っています。従来の鼠径部切開法だけでなく、術後の痛みが少なく、日帰り手術に適した腹腔鏡手術(ヒトツキズ腹腔鏡)を得意としております。
「患者様に寄り添った、温かい医療」の提供をクリニックの理念に掲げておりますので、患者さまの背景を十分考慮した上で、最善の治療をご提案します。
鼠径ヘルニアに関してお悩みがあれば、いつでもご相談下さい。
LINEによる鼠径ヘルニア無料相談を受付中
滋賀大津そけいヘルニア外科クリニックでは、2023年3月1日からLINEによる無料相談を受け付けています。
「日帰り手術ってどんな感じ?」「診察ではどんなことするの?」「費用はどれくらいかかるの?」など、どんな些細な事でもお気軽にご相談頂けます。当院の医師や専門スタッフは「患者さまに寄り添った温かい医療」を提供することをクリニックの信念としております。
お1人で悩まずに、お気軽にご相談下さい。